過労死や長時間労働、パワハラなどが問題視されている企業を集めた「ブラック企業大賞2017」のノミネート企業9社が11月27日、発表された。
「誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして」開催しており、今年で6回目。
2016年には、新人女性社員が過労自殺した電通が選ばれている。

1. ゼリア新薬工業株式会社

医療用医薬品、一般医薬品や「ヘパリーゼ」など健康食品の製造販売を行う大手製薬会社
2013年4月、MR(医薬情報担当者)として入社した当時22歳の男性社員が、新人研修受講中の同年5月18日に自殺した。2015年5月に労災認定。
男性は新人研修で、かつて吃音だったことや、いじめ体験を大勢の同期の前で告白させられていた。「強い心理的負荷」を受け精神疾患を発症し、自殺した。
関連:ゼリア新薬の22歳男性「ある種異様な」新人研修受け自殺 両親が提訴

2. 株式会社いなげや

関東地方を中心に137店舗を出店するスーパーマーケットチェーン。
2014年6月5日、「いなげや」志木柏町店(埼玉県)のチーフだった男性社員(当時42歳)が店の駐車場で倒れ、その後脳血栓により亡くなった。2016年6月に労災認定。
時間外労働時間は、発症前の4カ月平均で75時間53分だった。
これ以外にサービス残業など「日時が特定できない労働時間」があったとも推定されている。
いなげやでは2003年にも従業員が過労自殺し、労災認定されている。
関連:スーパー「いなげや」で過労死認定 弁護士が指摘した「タイムカードの矛盾」

3. パナソニック株式会社

2016年6月、パナソニックデバイスソリューション事業部の富山工場に勤務する40代男性社員が自殺。
2017年2月に過労自殺と認定された。
残業時間は、自殺1ヶ月前に100時間を超えていたという。
この後、富山工場の社員3人が最長で月97~138時間の違法な長時間残業をさせられていたことが明らかになり、同社と幹部2人が労働基準法違反の容疑で書類送検された。
また、パナソニック側は「雇用関係がない」としているが、福井市の工場では2015年10月、2次下請け社員が過労死認定されている。

4. 新潟市民病院

1973年設立の公立総合病院。
2016年1月、当時37歳の女性研修医が、長時間勤務が続いたことで睡眠薬を服用して自殺した。
女性の月平均残業時間は187時間、最長で251時間だった。
2017年5月、長時間労働による過労が原因であると労災認定された。

5. 日本放送協会(NHK)

2013年7月、当時31歳だった女性記者がうっ血性心不全で死亡した。
2014年に長時間労働による過労が原因として、渋谷労基署が労災認定。
亡くなる直前1ヶ月の時間外労働は159時間37分。遺族側の調査では、亡くなる直前の残業時間は209時間だった。
担当していた都議選と参院選の取材で、「深夜に及ぶ業務や十分な休日の確保もできない状況にあった」と認定されている。NHKが2017年10月に公表した。
関連:過労死した娘は、結婚を控えていた。奪われた記者の命とその未来

6. 株式会社引越社・株式会社引越社関東・株式会社引越社関西

「アリさんマークの引越社」として全国で営業展開する引越し業社。
引越社関東所属の男性営業社員をシュレッダー係に配転したり、懲戒解雇したしりした。
懲戒解雇においては、その理由を「罪状」などと記載して男性の顔写真を入れた書類(罪状ペーパー)を、引越社グループの店舗や社内報に掲示した。
2017年8月、東京都労働委員会が、男性が労働組合に加入したことによる行為だったと認定。
こうした行為と、脱退を促す行為が不当労働行為であるとした。
関連:アリさん引越社がついに謝罪へ… 男性は2年間シュレッダー係の仕事に耐え続けた

7. 大成建設株式会社・三信建設工業株式会社

「新国立競技場」の建設工事の元請け企業と、大成建設から地盤改良工事を請け負った一次下請け企業。
2017年3月、三信建設工業の新人男性社員(当時23歳)が自殺。
10月に長時間労働による過労が原因の労災であると認定された。
直前1カ月の残業は約190時間だったという。
この後、東京労働局が「新国立競技場」の建設に関わる約760社を調査し、37社で違法な時間外労働があったことが発覚。是正勧告された。
関連:五輪・新国立競技場の工事で時間外労働212時間 新卒23歳が失踪、過労自殺

8. 大和ハウス工業株式会社

国内最大手の総合住宅メーカー。
2017年6月、埼玉西支社の営業職の20代男性に違法な時間外労働があり、是正勧告を受けた。
男性は多量の業務をこなすため、住宅展示場の事務所や営業車内で隠れて深夜まで残業していた。
残業時間は2015年5月、月109時間に到達
長時間労働の末うつ病になった男性は、2016年5月に退職を余儀なくされた。
同社は2011年にも労働時間の管理に関して是正勧告を受けている。

9. ヤマト運輸株式会社

国内最大手の宅配便事業者。
労働基準法への違反例が数多く報じられている。
2016年12月には、神奈川平川町支店のセールスドライバーに対し、残業代の未払いなどがあったとして是正勧告を受けたほか、2017年5月にはパート従業員の勤務時間改ざんと賃金未払いがあったとして、西宮支店が是正勧告を受けている。
また、2017年9月には、博多北支店のドライバーに残業時間上限(1ヶ月95時間)を超える月102時間の残業を違法にさせていたとして、法人と幹部2人が労働基準法違反の疑いで福岡地検に書類送検された。
関連:過重労働にのめり込む宅配ドライバー 若者たちの「やりがい」が搾取されている

あなたの会社に1つでも当てはまったら危険!ブラック企業の10の特徴と見抜く方法

特徴1.長時間労働

月45時間以上の残業が続くようであればブラック企業の可能性大
実際に月に45時間以上残業する月が続くようでしたら、ブラック企業の可能性が高いと言えるでしょう。
これは、「36協定」という労使協定で「月の残業は45時間以内に抑えるように努力しましょう」という決まりがあるからです。
それを優に超えている場合、繰り返しますが、ブラック企業の可能性大です。
更には、「過労死ライン」というものがあり、月80時間の残業時間を超えると、従業員の命の問題にまでなってきます。

特徴2.休日が少ない

ブラック企業の特徴に休日が少ないことも言えるでしょう。
休みが少なくて、「やっとの休みは寝てばかり、気付いたら一緒に遊ぶ友達が少なくなっていた」なんて事になっていませんか?
もし、カレンダー通りに休んだとすると、1年間で120日前後の休日があります。
平均的な年間休日数も120日程度です。
年間100日以下の休日の会社は、少ないと言えるでしょう
更には、80日を下回るようでしたら、休日数に関してはブラック企業と言えるでしょう。
年間80日の休日といえば、月に6日程度、1週間に1日~1.5日しか休めていないことになります。

特徴3.給料が低い

労働時間と共にブラック企業と判断されるのが、給料の低さです。
確かに今の日本の礎を築いた高度経済成長期にも「企業戦士」や「モーレツ社員」といった言葉がありました。
むしろ、労働時間に関しては、夜中に電話で社長に叩き起こされて現場に直行するような、むしろ今より過酷な働き方もされていました。
しかし、それにはそれ相応の報酬がありました。
現在も年収1,000万円を超えるホワイトカラー労働者は、労働時間に関係なく働きます。
もちろん、高い報酬がありますね。対価がしっかりとあったのです。
しかし、ブラック企業はどうでしょう。
やりがいとか努力とか都合のいい言葉を使って、アメをあげずに労働者にムチ打っているのです。
つまり、働きと報酬が比例していないようであれば、ブラック企業が十分に考えられます。詳しくは4と5で説明します。

特徴4.残業代が出ない

給料が低いもっともな理由として考えられるのが、残業代が払われていないことです。
ブラック企業は、残業が多いことがほとんどなのですが、更に働かせた分の賃金をそのまま払わないのです。
ただ、真正面から残業代を払っていないと、今は労働基準監督署も少しは厳しくなり、悪い噂は簡単に情報が流れます。
あの手この手を使い脱法的に残業代を抑えるのです。

特徴5.謎の雇用契約

ブラック企業では、聞き慣れない雇用契約がされていることが多いと考えられます。
通常1日8時間労働でそれ以上働けば、残業代が発生するという認識があるでしょう。
しかし、残業代が吊り合わない方には、以下のことを言われたことがある人も多いのではないでしょうか。

  • 「残業代はあらかじめ給料に含まれてるから」
  • 「うちの1日の労働時間は10時間だよ」
  • 「管理職は残業代が出ないよ」
  • これらは、ブラック企業でよく見受けられる残業代を抑えるための”言い訳”である可能性が高いです。
    確かに“似たような”方法で契約をすることは認められています。
    しかし、ブラック企業の場合、導入するにあたってのルールが守られておらず、違法に残業代を払っていないことが往々にしてあります。

    特徴6.従業員の入れ替わりが激しい

    そのような粗悪な環境で働いていると、当然従業員は離れていきます。
    また、言い方は悪いですがブラック企業は、使えなくなった社員を簡単に切り捨てます。
    とても離職率が高く、入れ替わりが激しくなっています。
    しかも、円満な辞め方はほとんどなく大抵「揉めて辞めた」か「突然来なくなった」です。
    そして、上司が「アイツはよ~」と、辞めた人を悪者扱いしたり、触れてほしくない内容として封印されます。

    特徴7.簡単に入社できる

    従業員が辞めれば、もちろん人員が不足します。
    このような背景から、ブラック企業では、引き継ぎをきちんと済ませて真っ当な辞め方をする人も少なく、緊急で人材が必要になります。
    学歴や経歴、資格などは必要とされないことがほとんどです。
    求職者をいちいちふるいにかける余裕が無いのです。
    採用基準は至ってシンプル「ウチの会社で耐えられるか」です。
    ですので、ブラック企業の求人では「やる気」「情熱」「成長」という言葉が多く使われます。
    そのような理由で入社した方も、「頑張ります」「やる気はあります」と言った以上、過酷な環境で文句が言えない悪循環が生まれてしまうのです。
    酷い会社になると、文句を言おうものなら「頑張るって言ったんじゃないのかよ!」と引き合いにまで出されます。
    確かに、働く上で「やる気」「情熱」「成長」はとても大事です。
    しかし、ブラック企業のそれらはどこかがズレていることが多く、せっかくの良い言葉を自社で都合よくこき使うためのまやかしの言葉にされてしまいます。

    特徴8.上司・社長は絶対

    ブラック企業は体育会系が多く、上下関係に厳しいのも特徴です。
    上司や社長の言うことは絶対です。
    それが例え理不尽な内容であっても・・・。
    行き過ぎると下記のパワハラやセクハラに繋がっていきます。
    もちろん目上の人を敬う気持ちは大事です。
    しかし、ここでもブラック企業はズレているのです。
    ブラック企業は規模が小さくて、比較的新しい会社に多く、上記のように離職率も高くなっています。
    つまり、長く居ればけっこう簡単に出世できたりもします。
    批判を恐れずに言えば、器の小さい人ほど、権力を武器に物申して来ます。
    「他の会社に行ったらあなた通用するの?」と言うような上司から理不尽な事を言われます。
    中身はたいしてありません。精神論がほとんどです。

    特徴9.パワハラ・セクハラ

    行き過ぎるとパワハラやセクハラが横行します。
    それを見て見ぬふり、もしくは正しいかのようにしてしまうのがブラック企業です。
    「できないんだったら残ってやれ」「売上行かなければお前のせいだから給料カット」当たり前のように言われます。
    確かに、従業員は給料を貰っている以上会社に貢献しなければなりません。
    では、上記で触れたようにブラック企業は、真っ当に賃金を払っていますか?ブラック企業は、そのバランスが悪く、働いている人が一方的に攻められます。
    それは恐怖政治であり、軍隊であります。

    特徴10.精神論がよく出てくる

    そこでブラック企業によく出てくるのが精神論です。
    「やればできる」「感謝」「仲間」などは、ブラック企業が好むフレーズでしょう。
    一概には言えませんが、実は裏があったりします。
    また、指導している上司本人も「頑張ればなんとかなる」と信じていることも多いので、このように精神論でしか指導出来ない背景があります。結果的に「頑張る=長く働く」という事になり、最初の長時間労働がブラック企業に蔓延してしまうのです。
    このような内容がいくつも相対して労働者はズレを感じます。
    ですので「ブラック企業の特徴はコレ」と断定できませんが、半分以上「確かに」と当てはまる方、あなたの会社はブラック企業ではないでしょうか・・・

    求人情報からブラック企業を見抜く方法

    現在就職活動中の方はなんとしてもブラック企業は避けたいところでしょう。
    上記の内容で、ブラック企業のイメージは付いたかと思います。
    では、一体ブラック企業は、求人情報にどのような特徴があるのでしょうか。
    一概には言い切れない部分もありますので、ご参考までに捉えて下さい。

    労働時間

    長時間労働がほとんどのブラック企業ですが、求人情報に自ら「ウチは残業が多いんですけど~」というような記載はほとんどしません。
    基本的に求人情報の労働時間はあてにしないほうが良いでしょう。
    年に数回あるかどうかの定時の時間が載っているだけか、事務員など別の部署の勤務時間が載っている可能性もあります。
    ネットで元従業員の声を聞いてみるか、実際に現場に言って従業員の様子を見る方法が確実です。
    特に、デスク周りに私物やゴミが多いようだと、なかなか家に帰れていないという事も考えられます。
    「怪しい」と思ったら、直接面接時に「求人票に労働時間は◯◯と書かれていますが、実際はどうでしょうか?」と聞いてみるのも良いでしょう。
    単刀直入過ぎると、印象が悪いケースもありますので「英会話を習いたいから」「娘を保育園に迎えに行くから」いろいろ理由を考えて、実情を聞いてみましょう。流石にそこまで聞かれて嘘を付くような面接官も少ないでしょう。

    給料の形態

    給料も同じく隠したい部分は隠されている可能性が高いでしょう。
    流石に「基本給が入社してみたら低かった」ような事態はほとんど無いでしょうが、問題は残業代がしっかり支払われるかどうかです。
    「怪しい」と思うフレーズがあれば、その内容を調べるか担当者に聞くかをしましょう。
    特に「一部残業代として含む」といったフレーズは、上記でも説明した「固定残業代」の可能性がほとんどです。
    また、見慣れない手当や、役職、ポジションなども気を付けましょう。

    よく出てくるフレーズ

    従業員に負担をかけないと経営できないようなブラック企業は、会社の”売り”となるポイントがほとんどありません。
    なので、上記で述べた「勢いがある」「アットホーム」「やりがい」などの抽象的な言葉が使われることが多くあります。
    また、仕事内容がイメージしづらい横文字が使われることも往々にしてあります。
    例えば、就活生に人気の「コンサル業」、実は、お客さんを探してサービスを紹介する飛び込み営業だったり、「コールセンター業務」と書かれていたのに実は、電話営業でノルマがバリバリあったり。
    とにかく言えるのは、「抽象的な表現ばかりで具体的なイメージが出来ない」ことばかりです。
    この場合、担当者にどんどん質問してみましょう。普通は会社に興味を持ってもらって、悪い思いをしないはずです。

    社員の見た目

    人を見た目で判断することはあまり良くありませんが、求人情報だけでは正確な情報がわからない以上、見た目で判断するしかありません。
    例えば、従業員が疲れていたり、スーツがヨレヨレだったり、逆に異様な熱気に包まれていたり、フランクだけど中身が無いように感じたり。
    「なーんか違うよな~」とすでに違和感を覚えたのであれば、ブラック企業の可能性も考えられるでしょう。
    一方、どういう人が理想像とも言い切れませんので、「雰囲気」という、抽象的な表現で申し訳ありませんが、今まであなたが出会ってきた人と比べて、雰囲気である程度ズレを判断できるのではないでしょうか。
    裏を返せば、ブラック企業のようなガンガン働く環境が性に合っている人もいます。
    しかし、それには上記で述べた、給料やスキルアップなどの見返りがあるからです。
    悪質なブラック企業は、そんな事お構いなしに従業員をこき使います。

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