いま、UXリサーチャーが転職先の職種として人気を集めています。
インターネットを使うことが当たり前の時代になると同時に、世の中にはサービスや情報が溢れています。
そのため、ただサービスをリリースする、情報を発信するだけでは利用してもらえるようになるどころか、認知してもらうことも難しくなっているのです。
そのような状況を打破する役割としてUXリサーチャーの需要が各社で高まっており、転職市場においても市場価値が上がっています。
なお、今後もIT業界を中心にUXリサーチャーの需要は高まっていくことが予想されています。
需要が高まっていることを裏付けるデータとして、実際の転職市場でも「UXリサーチャー」「UXデザイナー」といった職種の求人が増加傾向にあります。
AIに代替されない職業として注目を集めているUXリサーチャーでは、企業側のニーズが高まっているが、日本では比較的最近になって認知され始めた職種であるため、今後さらに注目が集まる可能性が高いです。
注目が高まるUXリサーチャーですが、具体的な仕事内容については、あまり詳しくない人も多いはず。
そこで、今回はUXリサーチャーの<仕事内容や転職を有利に進める方法などを紹介していきます。
転職を成功させるためには、下記の3点を必ずやっておきましょう。
現在は、エージェントとの面談もWeb面談が主流となっています。
Web面談なら、在職中でも転職活動がしやすいというメリットがあります。
転職エージェントに登録しておけば、希望条件を満たす求人の紹介だけでなくスカウトなどを通じてあなたの市場価値を知ることもできます。
勘違いされがちですが、転職エージェントに登録したからといって転職しなければいけないということではないのです。
転職が当たり前になっている今の時代だからこそ、情報収集だけでもしておくことが重要です。
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UXリサーチャーとは
UXリサーチャーは、主に顧客体験(ユーザー・エクスペリエンス)を最適化するために、インタビューやアンケートなどの定性/定量調査やユーザーテストやプロトタイプテストといった調査を実施する職種のことを指すことが多いが、明確な定義はありません。
Googleの人材募集によると、UXリサーチャーに求める役割として下記の記載があります。
冒頭でも触れた通り、顧客の利用シーンやニーズが多様化しているため、従来のように単純に競合との比較を行い差分を埋めたり、一方的なマーケティング施策だけでは、競合差別化が図れないことを解消するために、顧客を深く理解することが求められています。
顧客やユーザーの体験・期待を深く理解し、顧客ロイヤリティを成功指標としたマーケティング戦略、プロダクト戦略を進めていくことが求められているため、UXリサーチャーは、顧客志向を徹底的に追及し、次世代を創るためにリードする重要な役割とされているのです。
UXリサーチャーの主な仕事内容
UXリサーチャーの仕事は、大きく分けると調査企画・仮説検証の2つに分けることができます。
調査企画
UXリサーチャーの仕事は、解くべき課題を見つけるところから始まります。
すでに解くべき課題が明確になっている状態で調査を依頼されるケースもありますが、事業課題やプロジェクト背景などを整理し、「何を明らかにしたいのか?」「何を解決すべきか」という問いを設定することが大半です。
そのため、本質を捉えたうえで調査企画をすることが重要となります。
調査実行
問いを設定した後は、仮説を検証するために、さまざまなリサーチ手法(インタビューやアンケートなど)から適した手法を選択し、実行するのです。
調査実行の期間はプロジェクトによっても異なりますが、1日で完結するものから半年〜1年以上と長期間となるケースもあります。
UXリサーチャーの仕事まとめ
・顧客体験(ユーザーエクスペリエンス)を最良にするために、改善すべき課題に対して本質的な問いを立てる
・インタビュー・アンケート・ユーザーテスト・プロトタイプテストなどの手法で調査を行い解くべき課題を特定する
・リサーチによって得た情報を分析し、それらに解釈や考察を加えて、事業の意思決定に繋げる
UXリサーチャーという職種は、業務範囲は広く、抽象的なお題に向き合うことも多く、また、企業によって役割が異なっているため断言することは難しいのです。
なお、UXリサーチャーが活躍する場は、インターネットメディア企業、ソーシャルゲーム開発企業、Eコマースサイト運営企業、自社でアプリやサービスを展開する企業、またUI/UXを専門にするデザイン制作会社などがあります。
UXリサーチャーの転職状況
まずは、UXリサーチャーの転職市場の状況をみていきましょう。
転職市場は、一般的には求人倍率を見ることで知ることができます。
そこで、転職サイトのdodaが公表している職種別・業界別の求人倍率をみてみます。
なお、UXリサーチャーだけに絞って求人倍率を見ることはできないため、企画・管理系(左から2番目)のデータを参照します。
2020年2月の企画・管理系の求人倍率は2.02倍となっており、求職者に対して企業からの需要が高い職種であることがわかります。
なお、2019年の年間通じた一般職を含めた求人倍率が2.5%程であったため、他の職種と比べると転職難易度が少し高い人気のある職種であるともいえます。
求職者1人に対して何人分の求人があるかを示す数値で、「転職のしやすさ」の目安になる指標です。求人倍率の数値の見方、捉え方としては求職者100人に対して求人が200件あるとき、求人倍率は2.0倍となります。人手が足りず、多くの企業が積極的に人材を募集をしているとき(つまり需要が高いとき)は、求人倍率は1を上回ることになり、数値が大きいほど「転職しやすい」傾向にあることを意味しています。反対に、企業があまり人材を募集しないときには、求人倍率は1を下回ることになり、数値が小さいほど「転職しにくい」傾向にあることを意味しています。求人倍率は、景気とほぼ一致して動くため、景気の動向を知るための指標としても見られています。
UXリサーチャーの転職市場価値は高いのか
求人倍率から、UXリサーチャーの需要が高いことはわかりましたが、転職市場における市場価値はどうなのでしょうか?
市場価値の高い職種に就くことは、今後のキャリアを考える時にも選択肢を増やすことができるため、とても重要です。
結論から言うと、UXリサーチャーを含むクリエイティブ系職種の市場価値は高いです。
なぜなら、冒頭から何度も説明している通り、サービスや情報が溢れている昨今の世の中では不確実性の高い状況でのマネタイズが求められ続けるからです。
そのような状況では解くべき課題が顕在化しているケースは少ないため、潜在的な課題を顕在化させ、価値ある解決策を提供するUXリサーチが重要となります。
UXリサーチャーの平均年収
UXリサーチャーの平均年収は勤める業界や労働形態によって差があるため、実際に人材を募集している企業が提示している給与から参考値をお伝えします。
UXリサーチャーの平均年収は535万円となってます。
また、UXリサーチャーとしてではなく、UXデザイナー・UIデザイナーの仕事の一部として、UXリサーチャーを募集しているケースもあるため、UXデザイナーとUIデザイナーの平均年収と仕事内容を紹介しておきます。
UXデザイナー
UXデザイナーの平均年収は600万円となってます。
ビジネスの戦略を具体的な形に落とし込む方法を考えること。そのため、ビジネスとユーザーとの関係性を正しく理解し、提供すべきユーザー体験を設計する。具体的には、市場調査(マーケティングリサーチ)やユーザーインタビューによりニーズを捉え、情報をどのような方法や順序で提供すべきか考え、Webサイトなどで何をどこに掲載するかを決定する。
UIデザイナー
UXデザイナーの平均年収は550万円となってます。
機械やソフトウェアのほか、WebサイトなどのさまざまなサービスのUIをデザインする職種。UIは「ユーザーインターフェース(User Interface)」の略で、機械の操作パネルやアプリの画面などのような、ユーザーが直接触れる部分のこと。Web開発においては、ユーザーが閲覧するWebページそのものがUIにあたり、Webページ全体の構成や操作性をデザインしていくのがUIデザイナーの役割。
UXリサーチャーが活躍する企業
ここからは、UXリサーチャーの具体的な仕事内容がイメージしやすくなるために、UXリサーチャーが活躍している企業を紹介します。
なお、下記で紹介している企業の中で人材募集が終了している可能性もあるため、企業の公式ページもしくは、ページ下部で紹介している転職エージェントを利用して、人材を募集しているか、さらに詳細の仕事内容や労働条件を確認してください。
株式会社メルペイ
日本最大のフリマアプリ『メルカリ』を展開している株式会社メルカリのグループ企業として、メルカリアプリを使った決済サービスを運営している企業です。
2019年10月16日(水)には、メルペイの利用者が500万人を突破するなど、注目されている企業です。
また、UX向上においても注力していくことが予想できるため、UXリサーチャーとしてキャリアを築く上でも要注目企業といえるでしょう。
メルペイは、メルペイ「電子マネー」に加え、「コード払い」の機能を提供することで、全国170万か所※1お店での決済体験を可能にしました。また「ネット決済」にも対応することで、オフラインだけではなくオンラインの加盟店でもご利用いただけるよう、サービスの幅を広げています。また入金方法も、「メルカリ」の売上金※2の他、普段利用している銀行を登録し「メルペイ」に残高をチャージしたり、チャージレスな「メルペイあと払い」を提供するなど利用者のニーズに合わせて選択することが可能です。このように、メルペイではお客さまの体験(UX)価値に主軸を置き、様々な機能拡充を進めてきました。
仕事内容・事業課題に対して、適切なリサーチプロセスデザインを行い提案する
・デプスインタビュー、ユーザビリティテスト、エスノグラフィックリサーチ、ダイアリースタディ、アンケートまたは他の新しい方法を含めたあらゆる手段を用いてインサイトを発見する
・デザイナー、プロダクトマネージャーなどのチームメンバーに発見したインサイトを共有し、アイデアに落とし込む
・サービス開発サイクルに合わせたリサーチプロセスの管理、ディレクション(例:毎週のUXリサーチ、プロジェクト型リサーチ、アドホックリサーチ)
・リクルーティング、データやドキュメント整備などResearch Ops業務
活かせるスキル・経験・人間中心のアプローチに基づきインサイト発見や仮説検証を行うことができる能力
・リサーチプロセスデザインの経験
・定性的及び定量的なリサーチ手法を活用したデータ収集・分析の経験
・リサーチ結果を元にしてデザインの提案ができること
・チームを横断するプロジェクトで働いたことがある経験
・組織マネジメント経験がある
・サービスロードマップを実現するためにリサーチ戦略の策定ができる能力
・ファシリテーション能力
・大胆にチャレンジし、多くの失敗から学べる人
・チームのために、自ら考え、自ら動き、率先して成功のために行動できる人
・オーナーシップを持って業務に励み、ベストを尽くすための努力を惜しまない人
・既存の発想にとらわれず、本質を考え尽くすことを楽しめる人
・自らの無意識な偏見に自覚的であるよう努力できる人
・好奇心を持って広く深く学び続ける意欲のある人
メルペイで活躍するUXリサーチャー_松薗 美帆(みほぞの)さん
[blogcard url=”https://jobs-change.jp/merpay/”]
株式会社リブセンス
アルバイト求人サイト『マッハバイト(旧:ジョブセンス)』や、転職希望者向けクチコミ情報サイト『転職会議』などの自社メディアサービスを運営している企業です。
メディアサービス企画、マーケティング、営業、デザイン、システム開発、カスタマーサポートを内製化しているという強みがあり、他職種とも連携することでサービスをグロースさせていっている企業であるため、UXリサーチャーもリサーチという枠にとどまらず、マーケティング全般で影響力を発揮できる可能性があります。
自社サービスと成果報酬型ビジネスの両方を展開しているので、社内外のデータを活用するだけでなく、UX向上のためのUXリサーチャーの必要性が増している企業であるといえるため、こちらも注目企業です。
仕事内容・ユーザ調査に基づく企画立案の支援
・ユーザビリティテストの支援
・サービスの定点調査(認知度、満足度、ブランドイメージ等)
・新規事業のコンセプト調査
活かせるスキル・経験・Webサービスのディレクション経験
・Webデザインの経験
・UXデザインの各種手法(ユーザビリティテスト、ペルソナ構築、カスタマージャーニーマップの作成等)の実務経験
・HCD-Net 人間中心設計専門家・スペシャリストの資格
・定量調査データを対象にした多変量解析の経験
・フラットな環境で働きたい人
・現場主導でサイト改善、業務改善したい人
・新規事業の立ち上げにも興味がある人
・既存の発想にとらわれず、本質を考え尽くすことを楽しめる人
・学習意欲が高く、アウトプットしている人
・自分の成果を全社に発表できる場が欲しい人
サイボウズ株式会社
チームワークのために欠かせない情報共有を行うツールであるグループウェアを開発・販売している企業です。
「Cybozu UX Cafe」というUXデザインに関わる勉強会やワークショップなど様々なイベントを実施するなど、UX向上にも力を入れている模様です。
グローバル展開もしているサイボウズで製品やクラウドサービスのUX/UIデザインに携われるため、UXリサーチャーとして経験やスキルが身につくことでしょう。
仕事内容・自社製品のUX/UIリサーチ活動全般
・市場調査、サイト訪問、ペルソナとコアシナリオの作成、プロトタイピング、コンセプト検証、ユーザビリティテスト、フォーカスグループ
・国内外UX/UIリサーチパートナーの開拓とマネジメント
・UX/UIリサーチ活動の社内教育と社外活動の宣伝
活かせるスキル・経験・ユーザビリティテストの実務経験
・サイトビジットをはじめとしたユーザーリサーチの実務経験
・プロトタイプツール(InVision等)の利用経験
・データ分析スキル
・ユニバーサルデザインスキル
・長く安心して働ける会社でスキルを身に付けたい人
・チームワークを大切にできる人
・チームワークあふれる社会を創ることに共感できる人
・自分で仕事の貢献度を示すことができる人
・価値を生み出し続けることができる人
・あくなき探求(考え続けること)ができる人
atama plus株式会社
日本中の(いつかは世界中の)子どもたちが基礎学力を最短で身につけられるよう、AIが一人ひとりを分析し、生徒の数だけ「自分専用レッスン」を提供している企業です。
ユーザーファーストでのプロダクト開発をしており、ユーザーとの距離が近いため、直接ユーザーの声を聞く機会を多く手に入れることができそうです。
また、専任のUXリサーチャーがいないことから組織やフローを作り上げることができる可能性も高く、UXリサーチャーとして貴重な経験ができるかもしれません。
仕事内容・定性・定量調査を通したユーザー(生徒・顧客)の利用状況・課題の把握と整理
・ユーザビリティテストなどを通したデザインの妥当性の評価
・インタビューやユーザーの行動の観察などを通してインサイトを得ることができる人
・ユーザーの行動のログデータを探索的に分析してインサイトを得ることができる人
・適切な手法でユーザビリティをテスト・評価することができる人
・成果物の背景・意図・根拠を明瞭かつ簡潔に説明することができる人
・サービス全体のUXを意識できる人
・フラットな立場で、周囲の人と気持ちよく仕事することができるコミュニケーション能力がある人
・アジャイル、LEANのコンセプトに共感でき、それに基づくワークフローに適応できる人
・必要に応じて新しいスキルを身につけることができる人
・直接ユーザーと向き合うことに強い関心がある人
株式会社ぐるなび
50万店以上の飲食店情報を集めたウェブサイト「ぐるなび」を運営している企業です。
2020年4月からユーザーリサーチの専門チームを立ち上げたばかりであることから、既存のプロセスに囚われる事なく、必要なリサーチ手法を取り入れ、ゼロからチームビルディングをすることもできるかもしれません。
飲食店という身近なものをサービスにしているからこそ、先入観を持つことなく課題を見つけ出すための洞察力でユーザーの課題を見つけ出し、事業の意思決定をするためのリサーチが重要となるため、UXリサーチャーの存在も重要なのです。
仕事内容・リモート環境におけるユーザビリティテストの実施、分析、レポートティング、その他付随する業務
・UXリサーチチームメンバーの教育、マニュアル化できる部分のドキュメント整備
・デプスインタビュー他、ユーザー課題を見つけるための調査手法提案と実施
・ユーザー課題を社内で共有するためのナレッジベース構築
活かせるスキル・経験・3年以上のUXリサーチャーとしての実務経験
・ユーザー中心設計に基づく課題発見と仮説検証の経験
・リサーチプロセスの設計とマニュアル化の経験
・チームを横断するプロジェクトの参加経験
・ユーザーリサーチの戦略立案経験
・10名以上のチームマネジメント経験
・プロダクトマネージャー、デザイナー、エンジニア、データ分析など他職種のバックグラウンド
・日常的な大手外食メディアの利用経験
・事業戦略にも興味がある人
・新しいリサーチ手法を会社に浸透させたい人
・飲食業界に興味のある人
・チームビルディングに興味のある人
・先入観にとらわれず課題を探すことができる人
UXリサーチャーへの転職ならエージェントを活用すべき4つの理由
UXリサーチャーへ転職することを検討している人は、必ず転職エージェントを活用すべきです。
転職エージェントを使うべき理由は、下記の4つです。
1.職場状況(雰囲気や業務内容)の実情を教えてくれる
2.非公開求人を紹介してもらえる可能性がある
3.業界・職種・会社に特化した対策(職務経歴書の添削・面接受け答えなど)が受けられる
4.年収交渉や日程調整を代行してもらえる
理由1. 職場状況(雰囲気や業務内容)の実情を教えてくれる
転職エージェントは、掲載している企業の実情を熟知しています。
企業の職場状況を知るために人事担当だけでなく、取締役や求人を募集している部署の部長、その部署で働く社員へヒアリングをしています。
- 「職場の雰囲気は?」
- 「具体的な仕事内容は?」
- 「入社1年以内の離職率は?」
- 「評価の仕方は?」
- 「残業はどれくらい?」
- 「中途の割合は?」
- 「どこから転職してきた人が多い?」
- 「経営層はどんな人?」
などのことをヒアリングしています。
このような情報は、求人サイトや企業のページには記載されていないことが多いため、エージェントを使うメリットになります。
また、エージェントは業界・職種別に担当が分かれていることが多いです。
そのため、エージェント自身が転職を検討している業界・職種の経験者である可能性が高く、業界や企業の内情に詳しいです。
理由2. 非公開求人を紹介してもらえる可能性がある
転職エージェントは、転職サイトや企業採用ページに載っていない「非公開求人」を大量に保有しています。
事業戦略(上場を控えている、新規事業のリリースなど)の諸事情で表立って募集することはできないが、こっそり採用したい企業がエージェントに依頼する求人。
高年収求人や管理職などといったレアな求人であることが多い。
転職エージェントであれば、UXリサーチャーの非公開求人を保有している可能性が高いです。
たとえ非公開求人の募集がなかったとしても、これまでの経歴やスキルが高ければ「〇〇の経験がある・・・、〇〇というスキルを持っているので、採用しませんか?」と、転職エージェントが企業に提案してくれるケースも沢山あります。
そのため、企業のホームページや求人サイトを見て「転職したい企業の求人がない」と思ったら、転職エージェントに相談して非公開求人を探すことをおすすめします。
理由3. 業界・職種・会社に特化した対策(職務経歴書の添削・面接受け答えなど)が受けられる
転職エージェントは、今までの多くの求職者の転職をサポートし転職を実現させているため、選考を突破するためのノウハウを持っています。
具体的には、過去どのような人が採用されたのか、採用されなかったのか、またその時にどのような質問をされて、どのように回答したか、といったデータを転職エージェントは蓄積しているのです。
そのデータをもとに模擬面接を行い、志望動機の伝え方や質問に対する回答の仕方をあなたと一緒に考えてくれるのです。
転職エージェントによっては、面接担当者の名前や人柄、担当者が好む人物像を事前に教えてくれるところもあります。
そのため、他の候補者よりも圧倒的に有利に面接を進めることが可能です。
転職エージェントは多くの場合、面接が終わった後に人事担当者と連絡をとっており、その際に面接では伝えきれないあなたのスキルや魅力を人事にプッシュしてくれています。
たとえ面接で失敗してしまっても、エージェントの提案力で面接を通過させるといった事象は日常的に起きています。
エージェントを使うことで、内定をもらえる確率が飛躍的に向上します。
そのため、自分で応募する人と比べ圧倒的に転職活動を有利に進めることができます。
また、自分で求人に応募する場合、選考の途中で多数の応募者のなかに埋もれてしまうことがあります。
特に人気企業(大手や話題のベンチャー)や人気職種(事務や新規事業担当)などの場合は埋もれてしまう可能性が極めて高くなります。
しかし、エージェントは企業の人事担当者との人脈があるため、企業に向けてあなたを推薦をしてくれるため、埋もれてしまうことはありません。
理由4. 年収アップや入社日など待遇の交渉や日程の調整をお願いできる
年収交渉は「どのタイミングで言えばいいんだろう…?」、「どれくらいの年収なら受け入れてくれるだろう…?」などと個人では難しいです。
なぜなら、自分で企業へ応募する場合は最終面接の場で入社同意書を書かされるタイミングが年収交渉のタイミングであることが多いからです。
このタイミングで年収交渉をしなければ、年収を交渉する機会をもらうことはできないと言っていいでしょう。
しかし、転職エージェント経由であれば、面接後に最終的な回答をエージェント経由で伝えることができますので、その時に年収交渉をしてもらうことも可能です。
少しでも良い条件で転職したければ、転職エージェントを使いましょう。
また、内定をもらった後も転職エージェントはサポートしてくれます。
「いま勤めている会社の退職の手続き(退職代行)」や「転職先の入社日をいつにするか調整(入社日調整)」なども転職エージェントが代わりに行ってくれるため、スムーズに転職活動を終えることができるのです。
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転職エージェント7つの活用方法
転職エージェントを使うべき理由は前述したとおりですが、さらに転職を有利に進めるためにエージェントを使うときに押さえておくべきことを7つ記載しておきます。
1.転職希望時期は「良い求人があればすぐにでも」と言っておく
転職エージェントもビジネスであり、売上目標に追われていることを覚えておきましょう。
担当者との最初の面談では「転職はいつ頃の時期で考えてますか?」と聞かれますが、この時に具体的に転職を考えているなら「良い求人があればすぐにでも」と答えるようにしましょう。
そうすることで、あなたの転職をサポートすることで会社の売上にも繋がると考え、優先順位をあげて対応してもらうことができます。
すぐに転職をすると決めていなくても、転職エージェントへ答える転職時期としては、「3ヶ月以内」と答えておくといいでしょう。
2.担当エージェントが合わなければ勇気をもって変更する
担当エージェントが「希望条件に合わない求人ばかりを紹介してくる…」や「無理やり転職させようとしてくる」などの場合は、担当変更をしてもらいましょう。
実は、担当エージェントを変更することは、日常的に行われています。
とは言っても、直接「担当を変更してほしい」というのは気が引けるという人もいるかと思います。
そのような場合は、メールで担当変更の依頼することをおすすめします。
それも難しいという人は、転職サイトに設置されている「お問い合わせ」で問い合わせるか、あらかじめ他の転職サイトにも登録して保険をかけておくようにしましょう。
いつもお世話になっております。
現在、転職をサポートして頂いている○○(名前)です。
担当していただいている○○様には丁寧にサポートしていただき感謝しております。
しかし、転職活動での不安が大きく、他のエージェントの方のご意見も伺えればと思っています。
可能であれば、現在志望しております○○業界に詳しいエージェントの方に担当をしていただきたいと思っております。
大変お手数をおかけしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
〇〇 〇〇(名前)
3.経歴やスキルに嘘をつかない
登録情報や一連のやりとりについて、履歴情報が残ります。
現役のエージェントの人から聞いた話によると、エージェントの2年前の登録情報と今回の登録情報が違うと言ったことがあるそうです。
この場合は経歴やスキルの虚偽報告をする信用ができない人材として、紹介する求人を限定的にするなどの判断をすることもあります。
そのため、登録する経歴やスキルなどは正直に書くようにしましょう。
4.推薦文は必ず確認する
ほとんどの場合、担当のエージェントは200字〜1000字であなたの推薦文を書いてくれますが、あまり優秀ではない担当者の場合、経歴をそのまま書き写すだけだったり、パッと見た印象だけの推薦文を書くなどといったケースがあるのです。
そのため、自分をどのような推薦文で企業に推薦してくれているのか確認するようにしましょう。
エージェントに推薦文を確認する例として「面接時に相違があると困るので推薦文を見せていただけますか?」や「自分を見直すために、書いていただいた推薦文をお送りいただけませんか?」とお願いしてみましょう。
5.同じ求人に複数のエージェントから応募しない
数社の転職エージェントを使っている場合、同じ案件には複数のエージェントから応募しないようにしましょう。
企業から「他の転職エージェントからも応募があるんだけど」と各社の担当エージェントに連絡が入ることがあります。
そのようなことがあると、企業・エージェント両者に不信感を与えることとなり、企業へ再応募することはもちろん、内定をもらった企業の内定が取り消しされたりすることもあります。
二度と転職エージェントから案件を紹介してもらえなくなってしまう可能性もあるため、転職エージェントには応募している企業を伝えるようにしましょう。
6.内定が出たら、他のエージェントにも話を聞いてみる
内定承諾をした後、その判断に迷いがないか・正しいのかを確認するために、内定を持っていることを正直に伝えた上で、別の転職エージェントに相談をしてみましょう。
他のエージェントの意見を聞くことで、もっとあなたのキャリアにふさわしい求人を発見することができたり、内定を持って余裕のある状態なので冷静な判断をすることができます。
この行動をしたことによって、内定を辞退することになったとしても、罰則やペナルティなどはもちろんありません。
せっかくもらった内定を辞退するのは心苦しいことですし、別のエージェントに聞きに行くなんて面倒なことでもありますが、後悔せずに納得のいく意思決定をするためには有効な方法です。
7.応募フォームの備考欄に希望するエージェントを記載する
応募フォームの備考欄は任意項目になっているため、ほとんどの人が記入していません。
しかし、だからこそ備考欄に希望するエージェントを記載しておけば、その情報を参考にあなたに合ったエージェントを担当にしてくれます。
例えば、転職によって年収をあげたいと考えているのであれば「年収交渉に強いエージェントに担当してもらいたい」や初めての転職なので実績のある頼れるエージェントにお願いしたいということであれば「100人以上の転職サポート実績があるエージェントを希望」など、転職エージェントに求めていることを記載しておきましょう。
希望する条件や担当を記載しておくことで、優秀なエージェントに担当してもらえる可能性が高くなります。
UXリサーチャーへの転職にオススメな転職エージェント一覧
UXリサーチャーへの転職を検討している人のために、下記の3つの条件を満たす転職エージェントを厳選しました。
- UXリサーチャーに関する求人(非公開を含む)を保持する可能性が高いか
- UXリサーチャー以外の求人も提案できる力と求人データベースがあるか
- 転職をサポートできるノウハウが社内にあるか
おすすめな転職エージェントは下記のとおりです。(登録自体は3分程度、完全無料で費用等は一切かかりません)
そのため、効率的かつ気軽に転職活動を進めることも可能です。
公開求人数:約460,000件
非公開求人数:約230,000件
年間登録者数:約45万人
サポートが得意な年代:20〜50代
対応エリア:全国
登録者数_公式ページ、プレスリリースを参照
転職成功実績No.1
圧倒的な求人数を保有しているのは、人材業界最大手のリクルートが提供するサービスならでは!
求人数だけでなく企業への交渉力にも定評があり、転職成功実績No.1。
リクルートエージェントに登録しておけばリクナビNEXTも併せて利用することができるため、自分のペースで求人を探しつつ、エージェントからの求人を紹介してもらったり、履歴書・職務経歴書の添削、企業別の面接対策を受けることで、効率的に転職活動を進めることができる。
好条件な求人が多い非公開求人も20万件以上と業界最大級
幅広い業種、職種の求人を取り扱っており、なかなか自分の希望を満たす求人が見つからないという人でも、希望条件を実現できる好条件求人を紹介してもらえる可能性が高い。
『年収600万円以上』や『3ヶ月分の賞与支給』などの好条件求人や『人気企業』や『大手優良企業』の求人が多いとされている非公開求人の保有数は10万件以上!
面接通過率を17%以上もUPさせる面接向上セミナーも人気
リクルートエージェントでは、面接力向上セミナーを定期的に実施しており、受講者の面接通過率を17%以上もUPさせている実績がある。
セミナー受講者は年間約1万7000人は受講し、満足度は97%*と好評。セミナー会場が遠方の人や仕事の隙間で参加したい人向けにオンラインセミナーもあり。
セミナーを受講しておけば、面接への苦手意識や不安がある人でも自信を持って転職活動を進めることができる。
転職を検討しているのであれば、まず真っ先に登録すべき転職エージェント。
公開求人数:約130,000件
非公開求人数:非公開
年間登録者数:約115万人
サポートが得意な年代:20〜50代
対応エリア:全国
登録者数_公式ページ、プレスリリースを参照
自分でコンサルタントを選ぶことができる
ビズリーチなら、転職サポートしてもらうコンサルタントを自分で選ぶことができる。
なお、コンサルタントはビズリーチ独自の厳しい審査基準を満たさないとコンサルタント登録することができない仕組みとなっている。
また、登録した後も四半期ごとに審査があり、紹介実績や利用者からのアンケートなどによってS~Dまでランク分けがされている。
求職者は、コンサルタント一覧から事前に担当コンサルタントを指名することができるので、コンサルタントとのミスマッチを防ぐことができる。
企業やコンサルタントから直接スカウトが届く
ビズリーチに登録しておけば、企業やエージェントから直接スカウトが届くため、自分の市場価値やどんな企業の求人があるのか知ることができる。
受け取るスカウトに関しては、希望する条件とのマッチ度やコンサルタントのランクによっても絞り込むことができるため効率的にスカウトを確認可能。
また、特定の企業を除外したり、相性が良くないと感じたコンサルタントからのスカウトをブロックすることもできるため、しつこくメールが届くことも防げる。
スカウトをもらえる数が大幅に変わるため、必ず簡易職歴書(全27問)まで記載することが重要。
保有している求人のほとんどが年収500万円以上
ビズリーチの取り扱っている求人のほとんどが年収500万円以上の高年収求人となっている。
高年収求人の中には2,000万円以上の求人や役職者向けの求人もあるため、年収アップしたい人だけでなく、年収を維持させたい人も登録必須。
また、他の転職エージェントに比べて、管理職や外資系企業の求人も多数保有しているため、情報収集としても活用できる。
※マイナビのプロモーションを含みます。
公開求人数:約66,000件
非公開求人数:非公開
年間登録者数:6万人
サポートが得意な年代:20〜30代
対応エリア:全国
登録者数_公式ページ、プレスリリースを参照
職種に特化したエージェントが転職をサポート
マイナビエージェントでは、業界や職種によって担当するエージェントが分けられており、転職を考えている業界や職種に合わせたキャリア相談が可能。
そのため、各業界や職種の専門知識や転職動向などを加味したアドバイスをしてくれるため、転職したらどうなるか具体的にイメージがしやすい。
特に転職活動が初めての20代や第二新卒からの人気が高い。
転職前に職場の雰囲気や業務内容を詳しく分かる
就活や転職サービス事業を幅広く行なっているマイナビグループだからこそ、全国の大手企業や人気ベンチャー企業などと信頼を築いてる。
また、エージェントは各企業に直接訪問し、人事や事業部長、現場の社員から職場の状況をヒアリングしているため、転職する前に職場の雰囲気・具体的な業務内容、人事評価制度、事業の成長性を詳しく知ることができる。
そのため、転職した後のミスマッチも少ない。
面接の日程調整や退社手続きも手伝ってくれる
マイナビエージェントの転職サポートは、初めて転職する人にも丁寧で親切との定評がある。
具体的には、面接の日程調整や円満退社するためのアドバイスや準備しておくべき書類などを教えてくれる。
また、転職した後も定期的に連絡をして、転職する前のイメージとズレていないか、人間関係で悩んでいることはないか、残業や休日などに不満はないか、などといったことの相談に乗ってくれる。
不安なことや不満があるけど、直接企業に聞きにくいという場合には、エージェントが代わりに企業に伝えてくれることも。
公開求人数:約260,000件
非公開求人数:非公開
年間登録者数:非公開
サポートが得意な年代:20〜50代
対応エリア:全国
登録者数_公式ページ、プレスリリースを参照
dodaだけで紹介してもらえる求人が約9割
10万件以上の求人を保有しているが、そのうち約9割がdodaでしか見ることができない独占求人や一般には公開されていない非公開求人となっている。
独占求人の中には、高待遇ポジション求人や新規事業の立ち上げなど、転職者から人気の高い求人も多数。
リモートワーク可能な企業、副業を推奨している企業など、こだわりの希望条件がある人にもおすすめ。
求人サイトとエージェント機能の両方を併せ持つ
dodaでは、自分で希望条件で求人を検索することもできるし、エージェントに希望条件を伝えて求人を紹介してもらうことの両方の利用方法ができる。
doda独占求人や非公開求人はエージェントからしか紹介を受けることができないため、エージェントの利用がおすすめですが、まずは求人だけ見てみたいという人は自分で検索することも可能。
毎週月曜日と木曜日に求人が更新されるので、そのタイミングで求人をチェックしてみると思いがけない求人と巡り会えることも。
年収診断や適職タイプ診断などのコンテンツも人気
年齢や職歴などを入力することで適切な年収を診断することができる年収診断、約60問の診断項目に回答することで自分に適した仕事が分かる適職タイプ診断など、転職先を検討する際に役立つコンテンツが充実している。
なんとなく今のまま仕事を続けるのは不安だけど、具体的にやりたい仕事があるわけでもないと悩んでいる人は、dodaのコンテンツを通じて転職活動をする軸を考えてみることがおすすめ。
公開求人数:約20,000件
非公開求人数:非公開
年間登録者数:非公開
得意な年代:20代後半〜50代前半
対応エリア:全国
登録者数_公式ページ、プレスリリースを参照
外資・グローバル企業に強い
ロンドン発祥の転職エージェントであり、日本を除く11カ国に拠点もあることから独自のネットワークを活かした外資系や海外企業への転職に強みを持つ。
「P&G」や「プルデンシャル生命」といった海外でも有名な企業だけでなく、「トヨタ」「パナソニック」「ヤフー」などの日本国内の有名企業の求人も保有している。
コンサルタントから紹介してもらうことができる非公開求人が多いことも特徴的であり、登録しておくことで他の転職エージェントサービスでは見つけられなかった求人と巡り会える可能性が広がる。
年収アップ、キャリアアップできる可能性が高い
公開求人だけでも年収500万円以上が基準となっており、非公開求人の中には年収800万円以上の高年収求人も多数ある。
これまでの経験やスキルを武器にさらなる年収アップを狙いたい人にはチャンスが多いエージェントサービス。
ただ、管理職や専門職の求人情報がメインになり、即戦力としての活躍を期待している企業が多いことから経験者には適しているが、未経験の職種にチャレンジしたい人にはあまり適していない。
紹介してくれる求人のマッチ度が高い
JACリクルートメントは大手エージェントサービスの中では珍しく、企業側と求職者側の対応を同じアドバイザーが行なう「両面型の転職エージェント」となっている。
両面型のメリットとしては、企業の社風や仕事内容をコンサルタントが熟知しているからこそ希望する条件と紹介する求人のマッチング精度が高められること。
また、求職者としては企業が求めている人物像や評価される経験やスキルなどのリアルな情報が手に入る。
そのため面接でズレのないアピールができ、結果として面接通過率を上げられる可能性も高くなる。
英語面接などの対策に親身に取り組んでくれるため、外資系企業にはじめて挑戦する方でも安心して転職活動に臨める。
公開求人数:約538,000件
非公開求人数:非公開
年間登録者数:非公開(累計1,000万人以上)
サポートが得意な年代:20〜60代
対応エリア:全国
登録者数_公式ページ、プレスリリースを参照
毎週約2,000件の求人が追加
業界最大級の掲載求人数を誇り、毎週約2,000件の新着求人が追加される。
また、掲載求人のうち85%がリクナビNEXTにしか掲載していない求人なので、他の転職サイトでは希望条件通りの求人が見つからなかった人でも、理想の求人が見つかる可能性が高い。
エージェント機能はないため、非公開求人や面接対策などのサポートを受けることができないため、他の転職エージェントと併用して利用するのがおすすめ。
気軽に情報収集ができる
自分のペースで気軽に求人を検索したり、応募したりできる。
職務経歴を登録しておけば、企業からスカウトメールが届くこともあるため、どんな企業があなたに興味を持っているか把握することもできる。
UXリサーチ手法(おまけ)
ここまで、UXリサーチャーの仕事内容や平均年収といった情報に加え、転職エージェントの活用術やおすすめ転職エージェントを紹介しました。
ここからは、「これからUXリサーチャーを目指してみようかな」と思っている人に向けて、UXリサーチ手法を紹介します。
すでに、UXリサーチャーとして活躍されている方は、既知のものも多いかと思いますが、手法を整理する参考としてもらえればと思います。
それでは、紹介します。
まず、UXリサーチ(調査)方法は、収集データの性質で「量的調査」と「質的調査」に分けられることが一般的です。
量的調査
人数、点数、割合など数値データやカテゴリデータを収集し、演算・集計する調査方法です。
代表的なものはアンケート調査(サーベイと呼ばれることもあります)があります。
集計結果を分析することで、集団の全体像や傾向を把握することが可能です。
有効なデータとして扱うためには、ある程度の収集量が必要となるため、コストや時間がかかるケースが多いですが、クラウドソーシングサービスや調査代行会社を使うことで、比較的低コスト・短時間で実施できる可能性もあります。
質的調査
数値化できないデータを収集し、分類・構造化する調査方法です。
代表的なものとして、ユーザーインタビューや観察(フィールドワーク)などがあります。
量的調査では全体の傾向を掴むことができるのに対して、質的調査では数値化できない価値観や心理描写など、ユーザーの声や体験に関する深い洞察を得ることができます。
また、インタビュー手法や観察主要はさまざまな種類があるため、一部を紹介します。
デプスインタビュー
1対1形式で行なうインタビューです。
インタビュー対象者から利用実態や意識等に関して詳細に情報を収集して、ターゲット層の価値観を構造的に把握することを目的として活用されることが多いです。
また、病気、借金、健康、仕事など人前では話しづらいテーマ(自慢話やコンプレックスに関わること)の場合に多く使われています。
サイト、アプリ、サービス、製品について、ユーザーがどう思っているのか、どのような改善を望んでいるのかなど、特定のテーマについて知ることを目的に、質問を進めていきます。
ユーザーの考えをより良く引き出すために、誘導的な質問を避ける、Yes/Noで回答するクローズド型質問をしないといった質問方法の工夫や、相槌、話すスピード、共感を示すといった、緊張させない雰囲気作りの工夫が必要になってきます。
グループ・インタビュー
1対複数人で行なうインタビューです。
5〜6人程度の座談会形式で行われることもあります。
調査目的に応じて性別、年代、ライフスタイルなどで切り分けた少人数のグループを形成します。
アンケートなどの定量調査では捉えきれない、消費者のニーズや消費行動に対する理解を深めることが可能になり、サービスへの満足度や新商品のコンセプトなど、商品・サービスに対する評価を直接確認することもあれば、ターゲットユーザー層の生活習慣や価値観を把握することもあります。
エスノグラフィ(フィールド調査)
フィールドで発生する現象を根気よく観察、あらゆる事象を記述し、パターンの発見・モデル化を行う手法です。
UXリサーチでは、街角や職場など、ユーザーが日常生活を送っている場面が取り上げられ、主に課題発見やニーズ発見のために活用されています。
予め仮説を持った状態でリサーチをしておくことで有意義な調査になるため、一次情報調査(デスクリサーチ)、アンケート(サーベイ)、競合調査(ベンチマーキング)、を事前に行なうことがおすすめ。
アイトラッキングテスト
ユーザーがページを見る際の目の焦点の位置や視線を追跡する装置を使って、どこを見ているのか、視線の動きや注視時間を記録する手法。
ユーザーの注意や興味が向けられやすい(向けられにくい)箇所はどこか、読みづらい・分かりづらくて止まっているところはどこかを把握することができます。
収集したデータのアウトプットとして、注視時間をサーモグラフィのように視覚化したヒートマップ(Contentssquare・Userinsightなどが有名)や、視線の動きの順番と注視時間を記録するゲイズプロットなどがあります。
昨今ではiPhoneの録画機能やzoomの録画機能などを使って調査を行なうことも可能になったため、気軽に調査することができるようになっています。
録画データやヒートマップなどは視覚的に調査結果を見ることができるため、チームやプロジェクトメンバー、事業責任者や経営層にプレゼンするときにも有効です。
調査方法を目的という観点から分類すると、「検証的調査」「探索的調査」に分類できます。
その他の調査手法
代表的なUXリサーチは上記で紹介したインタビューやアンケートですが、そのほかにも多数の調査手法があります。
目的とデータの種類によって図式化すると下記のようになります。
A/Bテスト
一定期間にサイトに訪れるユーザーに対して、2つ(以上)の異なるwebサイトのデザイン・レイアウトやアプリのプロトタイプを用意して、どちらがより良い成果(クリック率、コンバージョン率など)を出せるかを検証する手法です。
検証したい項目以外は同条件にそろえる必要があったり、ある程度の数を収集しないと有効なテストができないこともあるため注意点が必要です。
そのため、アクセス数の多いサービスや広告で利用されるケースが多いです。
A/Bテストツールとしては、有料のものもありますが、無料で利用できるものもあります。
A/Bテストツール
- Optimizely
- VWO
- Kaizen Platform
- SiTest
- DLPO
アクセスログ解析
サイトへの訪問状況の記録を解析する手法です。
いつ、どこから、どのくらいの訪問があったのかというアクセス数や、どのページからどのページへ飛んだのかというページ内遷移、訪問元のURLや検索キーワードなどの情報を収集し、どこで機会損失が発生し、何が売り上げに貢献しているのかなどを分析していきます。
課題に取り組む際に、どの程度の課題なのかを量的に把握したり、課題に対する解像度を上げてボトルネックになっているのかを比較したりするときに活用されることが多いです。
アクセスログ解析ツール
- Google Analytics
- Log Parser
- 忍者アクセス解析
- Access Analyzer.com
- Metaps Bridge
- Yahooアクセス解析
- Visitors
ユーザビリティテスト
ユーザーに実際のサイトやアプリケーション等を利用してもらい、課題を実行する過程のユーザーの行動を観察し問題点を発見する手法です。
アクセス解析ツールでは、 離脱率や直帰率などの数値は把握できますが、ユーザーがサイトを使っている時のインサイトまではわかりません。
ユーザビリティテストを行うことで、ユーザーが「何に関心を持っているのか」「どんな不安や疑問があるのか」など、視点での行動や心理を理解するときに有効です。
ユーザビリティテストツール
- UIscope
- ONI Tsukkomi
テキストマイニング
大量のテキストデータを自然言語処理の手法を使って単語に分割し、出現頻度や相関関係を分析する手法です。
定性データの性質を持つテキストデータを、量的データとして活用することができます。
SNSや口コミサイトの投稿を解析することでユーザーの声を知ることができるため、新商品や新サービスを告知した時、商品やサービスに対する直接的な意見を知るために活用されます。
また、ユーザーの本音や本心が分析できることから潜在的なユーザーを見つける方法としても活用されているケースがあります。
デスクリサーチ
web上の情報や、論文、文献、書籍など既存の調査結果を収集・分析して、知りたい領域やトピックについてざっくりと現状把握したり、仮説設定の際に参考情報を得る手法です。
まず、インタビューやアンケートなどのリサーチを実施する前に気軽に始めることができます。
総務省(国勢調査、人口推計、家計調査、労働力調査、消費者実態調査)、経済産業省、厚生労働省といった省庁データを閲覧したり、リクルート研究所、電通などの企業がリリースしている調査データ、矢野経済研究所、マクロミル、ミック経済研究所など調査専門企業のデータを利用するケースが多いです。
ベンチマーキング
競合など他のサービスを調査する手法です。
新しい機能やコンセプト設計などの方向性を見定めるときに調査するケースも多いですが、競合のコンテンツやUIデザインの参考にする時など、比較的ライトな調査として活用されています。
調査のポイントとしては、単に複数サービスを見るだけでなく、観点ごとに特徴をまとめるようすることで、機能やUIの意図まで読み取ることができるようになります。
また、分析の視点を広げるためには、同業界だけでなくジャンルの異なる業界も調査することがおすすめです。
ドッグフーディング
対象となるサービスを自分で使ってみる手法です。
課題整理のアプローチの1つとしてライトに実践している人が多いようです。
日頃から対象のプロダクトや情報に触れておくことで、ユーザーへの理解を深めることができます。